「豊かな生活環境を実現する~スマートな電気電子技術~」2014年度公開講座を開催しました。

広島工業大学の教員が、あるテーマに関する最先端の研究や技術、考え方や問題点を、日頃の研究成果からわかりやすく解説する公開講座。高校生を含む一般市民の皆さんに広く開放された講義シリーズとして、毎年開催しています。今年度は「豊かな生活環境を実現する~スマートな電気電子技術~」をテーマに、5月24日、31日、6月7日の3日間で6講座を開催、エコロジーを前提にしたスマートな電気電子技術についての講座内容が関心を集め、多くの皆さんに聴講していただきました。5月31日に開催された講座4「スマートグリッドのための電気の賢いつくり方、おくり方」の模様をご紹介します。

広島市中区大手町の「サテライトキャンパスひろしま」(広島県民文化センター5階)を会場に、6講座を開催しました。

広島市中区大手町の「サテライトキャンパスひろしま」(広島県民文化センター5階)を会場に、6講座を開催しました。

講座4の講師を務めたのは工学部電気システム工学科の吉田義昭先生。電力会社で17年間、配電現場の実務および配電技術の研究に携わった実績を生かし、本学で教鞭を執っています。

講座4の講師を務めたのは工学部電気システム工学科の吉田義昭先生。電力会社で17年間、配電現場の実務および配電技術の研究に携わった実績を生かし、本学で教鞭を執っています。

0.エネルギーと電気、そして原子力
世界の一次エネルギー消費の推移やエネルギー消費の国別格差、日本で使われるエネルギーの割合など、さまざまなエネルギー問題を解説しました。

1.電気をつくる、おくる
電源のベストミックス、水力発電や火力発電など発電の基本構造とエネルギー効率、太陽光発電の現状など幅広く解説。クリーンな発電方法として注目を集める太陽光発電ですが、まだまだクリアすべき問題点があり、その解決のために新たな技術開発が求められています。

年々増え続ける世界の一次エネルギー消費量。そのエネルギーの約92%が化石燃料を使って生み出されています。再生可能エネルギーは約2%に過ぎません。

年々増え続ける世界の一次エネルギー消費量。そのエネルギーの約92%が化石燃料を使って生み出されています。再生可能エネルギーは約2%に過ぎません。

汎用性の高い良質なエネルギー資源である石油。「石油に匹敵するエネルギー資源は存在しない」と吉田先生。

汎用性の高い良質なエネルギー資源である石油。「石油に匹敵するエネルギー資源は存在しない」と吉田先生。

2.電気をたくわえる
揚水発電や蓄電池(二次電池)といったさまざまな蓄電技術や、蓄電池の種類、性能、使用例などを解説。夜間など消費量が少ない時に余った電気や、太陽光発電や風力発電により発電された電気を蓄電する技術開発が進められています。しかし、蓄電にはロスが生じます。そのロスをいかに減らすことができるかが今後の課題です。

3.暮らしを変えるスマートグリッド
情報コミュニケーション技術を使って電気の使い方を把握し、電力の需要と供給を効率よくコントロールするスマートグリッド。災害時における電源の確保や、再生可能エネルギーの導入促進に繋がるなど、社会的な広がりも大きくなっています。ここで吉田先生が提案するのは新しいスマートグリッドの考え方。「自然+人間+適正技術の調和で、持続可能な地域社会を実現することが大切です」。貧困に苦しむ国々や未来の子どもたちにも意識を向け、エネルギー大量消費社会からの転換を図ることや、エネルギーの地産地消能力に合わせて新しい中間技術・中間産業の開発に取り組むといった人間のネットワークこそが、これからのスマートグリッドの扉を開くと締めくくりました。

聴講していただいた一般の方々に感想を伺いました。

最新の社会資本整備に関する研究や技術、産官学の取り組みなどを知りたいと思い、公開講座を聴講しました。普段触れることのない、研究者の立場からの情報や意見を聞くことができることが魅力ですね。メディアからの一方的な情報だけでなく、いろいろな話を聞いて、柔軟な視点でエネルギー問題について考えていきたいと思いました」(林憲治さん)

常に進歩発展を続ける世の中の流れに遅れないよう、新しい知識を広く身に付けたいと思い、講座には積極的に参加しています。今年度は、私たちの日常生活に密着したテーマで、真空管から発光ダイオードや太陽光発電まで幅広く話が進められ、興味深く聴講しました。高度成長時代、環境問題を置き去りにして利益主義に先走ってきた先人に代わり、次世代の方々が強い信念と思想・哲学を持って、地球レベルでの温暖化対策や環境問題について真剣に取り組んでいる事に大きな期待を寄せています」(寺地越二さん)

建設コンサルタント会社にお勤めの林さん。

建設コンサルタント会社にお勤めの林さん。

すべての講座を受講していただいた寺地さん。

すべての講座を受講していただいた寺地さん。

聴講していただいた皆さん、ありがとうございました。
皆さまのご期待の応えられるよう、今後も生活に役立つテーマで公開講座を続けてまいります。

公開講座

電機システム工学科 吉田義昭先生

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