酒づくりの現場で学ぼう 食品生命科学科の学生が中国醸造(株)の工場を見学しました。

7月10日、生命学部食品生命科学科の3年生、33名が「醸造工学」の授業の一環で廿日市市にある中国醸造株式会社を訪れ、清酒製造ラインと焼酎製造ラインを見学しました。「実際に機械や設備に触れることで、学びを深めてもらおうと思い企画しました」と食品生命科学科の土屋義信先生。同社は大正7年に創業した老舗の酒蔵で、創業当時は醸造アルコールを主に製造していましたが、現在では「ダルマ焼酎」「はこさけ一代」「カープチューハイ」など全国的に愛される人気銘柄を製造しており、アルコール飲料生産量では広島県でナンバーワンの会社です。

中国醸造株式会社。広島工業大学五日市キャンパスからバスで7、8分のところにあります。

中国醸造株式会社。広島工業大学五日市キャンパスからバスで7、8分のところにあります。

工場見学の前に、注意事項や企業の概要をうかがいました。

工場見学の前に、注意事項や企業の概要をうかがいました。

7200坪という広大な工場敷地の中、まずは清酒製造ラインを見学しました。製造ラインは、製造工程のほとんどが機械化されており、少人数でも製造できるようになっています。案内していただいた製造部副部長の油田昌樹さんが取り出したのは、長い髪のような繊維状の物体。これは中空糸膜といい、空洞になっている内側の部分は、外側表面にある0.3ミクロンの無数の穴とつながっています。中空糸内部の圧力を下げることで、中空糸外側からお酒を吸い上げ、ろ過を行います。「この中空糸膜を使うことでろ過の精度もあがり、製造量が増えても対応できるようになりました」と油田さん。

中空糸膜は、人工透析にも採用されている技術です。

中空糸膜は、人工透析にも採用されている技術です。

工場内には数多くのタンクが設置されていました。「大小合わせると、およそ1200本のタンクがあります」

工場内には数多くのタンクが設置されていました。「大小合わせると、およそ1200本のタンクがあります」

「お酒の味を決めるといわれる、米麹をつくる室(むろ)と呼ばれるところです」と油田さん。

「お酒の味を決めるといわれる、米麹をつくる室(むろ)と呼ばれるところです」と油田さん。

お酒づくりにとって一番大切な麹造りを担う「自動製麹装置」の中。麹菌をうまく根付かせるための装置です。

お酒づくりにとって一番大切な麹造りを担う「自動製麹装置」の中。麹菌をうまく根付かせるための装置です。

清酒ラインの見学の後は、「乙類焼酎製造所」へ移動しました。看板商品のダルマ焼酎が製造される所です。焼酎づくりは、まず、広島県内の契約農家から仕入れたサツマイモ「紅あずま」を、芋洗い機、蒸し機、粉砕機を通しマッシュポテト状にするところから始まります。さらに、麹と水と酵母を合わせた「一次もろみ」を作り、その中に先ほどの芋を入れ発酵させる「二次仕込み」「蒸留」などの工程を経て、できあがっていきます。

清酒に続いて焼酎の製造ラインを見学。

清酒に続いて焼酎の製造ラインを見学。

天井の高い工場内にはさまざまな機械が並んでいました。

天井の高い工場内にはさまざまな機械が並んでいました。

見学後の質問時間では「お酒の品質管理をする仕事は、どのような人が向いていますか?」という学生の質問に「嗅覚や味覚がしっかりしている人がいいですが、訓練すればほとんどの人ができるようになります」とお答えいただきました。

「杜氏になるにはどうしたらいいですか?」という質問には「杜氏になるために必要な資格はありません。酒造りの経験と実績をつむことですね」と油田さん。

「杜氏になるにはどうしたらいいですか?」という質問には「杜氏になるために必要な資格はありません。酒造りの経験と実績をつむことですね」と油田さん。

販売コーナーには中国醸造(株)でつくられている、さまざまな種類のお酒が並んでいます。

販売コーナーには中国醸造(株)でつくられている、さまざまな種類のお酒が並んでいます。

「なかなか見ることのできない機械や設備を見ることができてよかったです」岡本彩さん(右 生命学部食品生命科学科・3年)「将来は、食品会社の研究室か製造ラインを管理する部門で仕事をしたいと考えています。製造ラインを見学できたことは、必ず自分の将来に役立つと思います」新里志津香さん(左 生命学部食品生命科学科・3年)

「なかなか見ることのできない機械や設備を見ることができてよかったです」岡本彩さん(右 生命学部食品生命科学科・3年)
「将来は、食品会社の研究室か製造ラインを管理する部門で仕事をしたいと考えています。製造ラインを見学できたことは、必ず自分の将来に役立つと思います」新里志津香さん(左 生命学部食品生命科学科・3年)

「酒造会社に入社して酒づくりに携わるのが夢です。特に製造現場に興味があるので、今日はいい経験ができました」沖田信哉君(生命学部食品生命科学科・3年)

「酒造会社に入社して酒づくりに携わるのが夢です。特に製造現場に興味があるので、今日はいい経験ができました」沖田信哉君(生命学部食品生命科学科・3年)

普段の授業でも機械や設備の話をしていますが、今日はその実物を見ることができ、学生の印象にも残ったはずです。今後も見て、触れて、学ぶことを続けていきたいですね」と土屋先生。酒づくりの現場の空気に触れたことは、今後、学びを深める上で必ず役に立つことと思います。中国醸造株式会社の皆様、ありがとうございました。

食品生命科学科

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