
10月28日、なぎさ公園小学校の4年生84名が2班に分かれて、広島市西区井口の広島工業大学高校内にある広島工業大学地球観測ステーションを訪れ、地球観測衛星の働きについて学びました。
宮島街道沿いに見える大きなパラボラアンテナがあるところが、広島工業大学地球観測センターです。この施設では衛星からの情報をもとに、災害や地球環境の分析など、さまざまな研究が行われています。子どもたちは、アンテナの利用法や災害とのかかわりについて、衛星からのデータを基にした画像を見ながら、環境学部地球環境学科の菅先生とクイズ形式で楽しく勉強しました。
直径13メートル級のパラボラアンテナ。近くで見るとその大きさにびっくり!
クイズ形式で楽しく授業を進めていく菅先生。
驚くほど精密な立体的な地図を見つめる子どもたち。
真剣に先生の話を書き留めていました。
続いて、5年前に山口県の防府市で発生した土砂災害や東日本大震災、さらに今年の夏の広島市の大規模土砂災害などについて、地球観測衛星からの情報をもとに分析し、水の流れをシミュレーションした3D映像が映し出されました。
「例えば、津波が押し寄せてきたらこのようになります」とシミュレーション画像を見せる菅先生。
地球を周回する人工衛星の数は、およそ1万個以上あると言われています。
先生の問いかけに、積極的に答える子どもたち。生き生きとした視線が、菅先生に注がれます。
なぎさ公園小学校4年生(楠木組27名、山桃組28名)のみなさん。
最後に、子どもたちからの質問タイムが設けられました。「広島で災害が起こりそうなところはありますか?」との質問には「広島県には全国最多の約3万2,000カ所も急傾斜地があります。現在、ハザードマップを作るなど、正確な調査が進められています」と広島県の現状とその対策法について答えていただきました。
「みんな一生懸命話を聞いてくれて、たくさん勉強していることもわかりました。自分が勉強してきたことに自信を持って、これからもがんばってほしいですね」と菅先生。
参加した鈴木帆香さん「災害が起こる前に、どこに逃げたらいいのか考えておくことが大事だと分かりました。映像で説明してもらって、分かりやすかったです」
菅先生は「幼い頃に"興味の扉"を開くことが大切です。そこから"研究"の道に進むこともあるはずです」とまとめました。
児童一人ひとりが、自然や科学に興味を持つきっかけとなり、災害への知識が深まった一日となりました。