スマートフォンとぬいぐるみで高齢者と家族の対話を支援 知的情報システム学科の安部ゼミで実証実験を実施しました。

高齢者と家族の対話を支援するシステムづくりを行っている知的情報システム学科安部ゼミ。昨年から、「擬人的媒体」と「スマートフォンアプリ」を用いて実験を行っています。昨年9月には、高齢者とそのご家族がアプリを実体験し、使い勝手について評価をしていただきました。今年は11月1日に、昨年と同じ広島市中区江波にある「ウエルビィ江波」にて、第2期実証実験が行われました。

中区江波にある「ウエルビィ江波」

中区江波にある「ウエルビィ江波」

実験に先立ち安部先生が研究の背景や実験内容を説明。手に持っているのは、改良が施された「擬人的媒体」です。

実験に先立ち安部先生が研究の背景や実験内容を説明。手に持っているのは、改良が施された「擬人的媒体」です。

「擬人的媒体」とは、ぬいぐるみやロボットのように、実際には心を持っていなくても心があるかのように感じることができるものを指します。擬人的媒体を用いることで、実際に人と会話をしているかのような感覚で相手とコミュニケーションを取ることが可能となります。ここに「スマートフォンアプリ」を組み合わせ、ビデオメールを使って高齢者と家族が簡単にコミュニケーションをとれるようにし、認知症の予防に役立てようというのがこの研究の目的です。

スマートフォンに装着されたぬいぐるみ。待ち受け画面の表情が変化するため、見ていても飽きません。

スマートフォンに装着されたぬいぐるみ。待ち受け画面の表情が変化するため、見ていても飽きません。

アプリについて説明する安部ゼミの山本翔也君(情報学部知的情報システム学科・4年)

アプリについて説明する安部ゼミの山本翔也君(情報学部知的情報システム学科・4年)

スマートフォンの操作が苦手な高齢者も多いため、会話の相手である家族側からリモートでコントロールできる仕組みを開発したことが、今回の研究のポイントです。また、昨年と違い、今年は株式会社システムフレンド様の協力のもと、定型文の再利用機能や、操作性の改修を行い、より使いやすいアプリを目指しました。
スマートフォンを包むぬいぐるみは、昨年は市販のものを使っていましたが、今年はオリジナルを試作。座ったり、寝たりとポーズがとれるようになり、さらに親しみがわくように工夫されています。

再生や録画のタイミングは、「メッセージが届いたよ」「僕にお話ししてね」とぬいぐるみが直接語りかけて教えてくれます。

再生や録画のタイミングは、「メッセージが届いたよ」「僕にお話ししてね」とぬいぐるみが直接語りかけて教えてくれます。

もっと改良する点はないか、実験時の聞き取りが今後の開発の糧となります。

もっと改良する点はないか、実験時の聞き取りが今後の開発の糧となります。

開発に携わった山本翔也君は「昨年からの引き継ぎの研究なので、まずは研究内容をしっかり把握してから開発を進めていきました。今年はシステムフレンド様の協力もいただいたので、よりスムーズに進めることができたと思います。今日いただいたご意見を参考に、さらにいいもの、使いやすいものになるよう、研究を進めていきたいと思います」と手ごたえを感じているようでした。

「着ぐるみのデザインも、複数案の中から自分たちで決定しました。もっと小さくして持ち歩いて使えるようにしたいというご意見をいただいたので、参考にしたいと思っています」と山本君。

「着ぐるみのデザインも、複数案の中から自分たちで決定しました。もっと小さくして持ち歩いて使えるようにしたいというご意見をいただいたので、参考にしたいと思っています」と山本君。

「昨年いただいたご意見を参考に、ゼミ生全員で改修仕様書を作成、システムすべてを見直しました。学生は、世の中の役に立つものをつくりながら、システム開発の進め方を実体験できたのではないでしょうか」と安部先生。

「昨年いただいたご意見を参考に、ゼミ生全員で改修仕様書を作成、システムすべてを見直しました。学生は、世の中の役に立つものをつくりながら、システム開発の進め方を実体験できたのではないでしょうか」と安部先生。

ご協力いただいた株式会社システムフレンドの川西さんは広工大のOBです。「卒業後はシステムエンジニアになる学生も多いと思いますが、向上心を持って新しい技術を自分の中に取り入れることや、勉強会などを通じて他者と積極的にコミュニケーションをとっていくことが大切になってくると思います。頑張ってください」とエールをいただきました。

ご協力いただいた株式会社システムフレンドの川西さんは広工大のOBです。「卒業後はシステムエンジニアになる学生も多いと思いますが、向上心を持って新しい技術を自分の中に取り入れることや、勉強会などを通じて他者と積極的にコミュニケーションをとっていくことが大切になってくると思います。頑張ってください」とエールをいただきました。

今回の実験で得られたご意見を反映させ、次の段階では、この仕組みをご家庭で長期間使用する実験を実施する予定です。その先の「商品化」を目指して、さらなる改良は続いていきます。

昨年の実験の模様

知的情報システム学科 安部ゼミ・研究室

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