広工大は学生のやりたいことを応援します!夢を叶えたHITチャレンジ採択団体を紹介(その1)

学生の「やってみたい」を応援するHITチャレンジ制度
自由な時間があり、実行力が身に付いてくる大学生になると、授業やサークル活動以外に「やってみたい」ことがたくさん生まれてきます。ただ、なかなか実行に移すチャンスがないことと、資金をどう捻出するのかといった問題が残ります。
広島工業大学では、そんな学生を応援する「HITチャレンジ」制度があります。2007年度から始まったこの制度は、学生自ら企画を立ててプレゼンテーションを行い、企画が通れば最高で50万円が支給される夢のようなプロジェクトです。
HITチャレンジ制度を使って「やってみたい」ことを実現させた学生は、どんな活動をしているのでしょうか。2015年度のHITチャレンジ制度に採択された団体を紹介しましょう。

①HIT LAB
テーマ:クラウドに繋がる組込み機器のシステム開発

さまざまな家電製品や機械に使用されている組込み機器。この組込み機器をクラウドサービスと結びその可能性を探る「Device 2 Cloud コンテスト」に参加し、優勝を目指して活動しているのが「HIT LAB(ヒットラボ)」です。今年は2チームに分かれてコンテストに挑戦しました。
Aチームのリーダー牧尾祐介君(情報学部情報工学科・3年)に話を聞きました。

―2015年12月開催された決勝大会では準優勝、過去最高の成績でしたね。おめでとうございます。
「ありがとうございます。書類審査を通過した全国の大学や専門学校などが決勝大会に進出しました。プレゼンはとても緊張しましたが、実用的なシステムを提案できたことと、本番できちんと実演できたことが準優勝という結果につながったと思います」

―システムの概要を教えてください。
「Aチームは火事の未然防止システムを開発しました。温度センサ人感センサで温度と人の有無を感知し、クラウド上で火事だと判断された場合、あらかじめ登録しておいたユーザーにメールで火事の危険性を通知します」

―どのようにシステムを完成させていったのですか。
「初めはおおまかなアイデアを出し合って、それを形にするためにメンバー同士で議論を重ねました。安価で利便性の高いシステムを作り上げることにも気を配りました」

―発想のポイントはどこにありますか。
「身近な問題に着目し、日常生活の中で不便に感じていることを、情報システムを用いていかに解決するか考えます。発想力が求められるチャレンジですが、やりがいは大きいですね」

完成したシステム。木の箱の中に基板を収めます。手前の丸いものが人感センサ、黒いものが温度センサです。

完成したシステム。木の箱の中に基板を収めます。手前の丸いものが人感センサ、黒いものが温度センサです。

「配線をコンパクトにまとめるのが大変でした」データはクラウドに蓄積されるため、火災の起こりやすい時間帯の統計を取ることも可能です。

「配線をコンパクトにまとめるのが大変でした」
データはクラウドに蓄積されるため、火災の起こりやすい時間帯の統計を取ることも可能です。

「既存の火災報知器にはない、火災の危険性を遠くにいる人にも伝えるシステムを作りたいと思い、開発しました」と牧尾君。コンテストで準優勝と聞いたときは「まさか」と信じられない気持ちだったそうです。

「既存の火災報知器にはない、火災の危険性を遠くにいる人にも伝えるシステムを作りたいと思い、開発しました」と牧尾君。コンテストで準優勝と聞いたときは「まさか」と信じられない気持ちだったそうです。

Bチームのリーダー若園佳大君(情報学部情報工学科・3年)。「私たちはスマートフォンで部屋の室温を管理するシステムを開発しました。決勝には残れなかったのですが、みんなで一つのシステムを作り上げた経験を今後に生かしていきたいです」

Bチームのリーダー若園佳大君(情報学部情報工学科・3年)。「私たちはスマートフォンで部屋の室温を管理するシステムを開発しました。決勝には残れなかったのですが、みんなで一つのシステムを作り上げた経験を今後に生かしていきたいです」

HIT LABのメンバー。「後輩にはぜひ優勝を目指して頑張ってほしいですね」

HIT LABのメンバー。「後輩にはぜひ優勝を目指して頑張ってほしいですね」

②HITアシステック
テーマ:アシスティブ・ハンドの開発

生命学部生体医工学科の学生で結成されたHITアシステックは、身体障害者のQOL(=Quarity of Life 生活の質)向上を目指して、食事支援を目的とした汎用型ロボットアームの開発に取り組んでいます。
リーダーの楠見茉耶さん(生命学部生体医工学科・3年)に、話を聞きました。

―3Dプリンターが稼働していますね。
「3Dプリンターは、ロボットアームの部品製作に活用しています。安価で汎用性の高いものを作り上げるためには、3Dデータを使って樹脂で簡単にものづくりを行える3Dプリンターが必要不可欠です」

―製作前に調査を行ったそうですね。
「食事支援装置の調査を目的に、兵庫県立福祉のまちづくり研究所を訪れました。マイスプーンという食事支援ロボットの操作体験をしたり、リハビリ機器を扱う専門家の方のお話を伺ったりすることができました」

―そもそも、ロボットアームづくりを始めたきっかけは何ですか。
「もともと、ものづくりをしてみたいという思いがメンバー全員にあったのですが、私たちは大学で医療分野の勉強をしていることもあり、何を作りたいか話し合った中で出てきたのが食事支援ロボットでした。既存のものよりコンパクトでどんな場所でも使えるようなロボットアームを目指しています」

―開発時に気をつけていることは何ですか。
「障がいのある方は、自分でできることは自分でやりたいと思っている方も多いので、どこまでアシストするものを作るのかを意識しています。自分たちでその基準を決めるのは難しいですが、開発することのおもしろさを体感しています」

「HITチャレンジでは自分がやりたいことを形にでき、授業ではなかなか経験できないことにも挑戦できます。そこが楽しいですね」と楠見さん。

「HITチャレンジでは自分がやりたいことを形にでき、授業ではなかなか経験できないことにも挑戦できます。そこが楽しいですね」と楠見さん。

兵庫県立福祉のまちづくり研究所で操作体験したマイスプーン。左のジョイスティックを傾けるだけで食べ物を口元まで運ぶことができます。

兵庫県立福祉のまちづくり研究所で操作体験したマイスプーン。左のジョイスティックを傾けるだけで食べ物を口元まで運ぶことができます。

オープンソースのデータを使って製作したロボットアーム。消しゴムをつかむことができます。「最終的には自分たちでアームを設計し、制御プログラムも開発する予定です」

オープンソースのデータを使って製作したロボットアーム。消しゴムをつかむことができます。「最終的には自分たちでアームを設計し、制御プログラムも開発する予定です」

3Dプリンターが稼働中。少しずつ部品の形が見えてきました。

3Dプリンターが稼働中。少しずつ部品の形が見えてきました。

HITアシステックのメンバー。「今後は、完成したロボットアームを実際に使ってもらうための活動にも取り組みたいと考えています」

HITアシステックのメンバー。「今後は、完成したロボットアームを実際に使ってもらうための活動にも取り組みたいと考えています」

③建築屋たち
テーマ:救急・防災のための情報発信模型

工学部建築工学科の学生で結成された「建築屋たち」は、毎年さまざまなテーマを設定しHITチャレンジに参加しています。2015年度は、防災意識の向上に役立つキャンパス周辺の模型製作を行いました。
リーダーの高橋風希君(工学部建築工学科・2年)に、活動について話を聞きました。

―なぜ模型を作ろうと思ったのですか。
「理由は二つあります。一つは、12年前に当時の『建築屋たち』のメンバーが製作したキャンパスの模型があるのですが、これが古くなっていてキャンパスも様変わりしているからです。もう一つは、避難場所や経路などが記されたハザードマップを立体にした方が、より分かりやすくなると考えたからです」

―模型にはどのようなものを示していますか。
「大学内にあるAEDの設置場所や、災害時の避難場所までの経路を示しています。また、等高線に基づき標高を正確に表したので、豪雨時の危険箇所も分かりやすくなっています」

―模型製作では、どんな点が大変でしたか。
「模型づくりの経験がほとんどなかったので、先輩に作り方を教わりながら進めていきました。さらに、建築事務所で模型づくりを習ったメンバーもいました。大変だった分、模型製作のスキルはしっかり身に付いたと思います。将来設計の仕事に携わりたいメンバーも多く、勉強になりました」

―模型をどんな人に見てもらいたいですか。
「学生はもちろん、周辺住民の方など多くの人に見てもらいたいですね。災害時に模型の存在を思い出してもらえたらうれしいですね」

製作期間はおよそ半年。授業の合間にコツコツと作り上げていきました。「根気が一番必要です」

製作期間はおよそ半年。授業の合間にコツコツと作り上げていきました。「根気が一番必要です」

完成した模型・中央の大きな建物が「三宅の森Nexus21」AEDだけでなく、公衆電話の位置や防災無線の場所も示されています。

完成した模型・中央の大きな建物が「三宅の森Nexus21」
AEDだけでなく、公衆電話の位置や防災無線の場所も示されています。

「リーダーとして、メンバーに積極的に声をかけることを意識しました。学校の課題や部活動などで忙しいメンバーも多く、スケジュール通りに進めることに苦労しました」と高橋君。

「リーダーとして、メンバーに積極的に声をかけることを意識しました。学校の課題や部活動などで忙しいメンバーも多く、スケジュール通りに進めることに苦労しました」と高橋君。

完成した模型は、さっそく大学内に展示されました。「今後は周辺の公民館などで展示したいと考えています」地域の防災意識の向上に役立てられます。

完成した模型は、さっそく大学内に展示されました。「今後は周辺の公民館などで展示したいと考えています」地域の防災意識の向上に役立てられます。

次回も、HITチャレンジ制度に採択された団体の活動についてお届けします。お楽しみに。

学生自主企画プログラム「HITチャレンジ」制度

関連情報