2014年度 第2回全学FDを開催しました。

12月13日、「三宅の森Nexus21」2Fリーフガーデンにて、第2回全学FDを開催しました。FDとは、「Faculty Development」の略で、大学教員の教育能力を高めるための実践的な方法のことを指します。第1回全学FDでは、系統的な教育課程を策定するために有効な「カリキュラム・ツリー」を作成するワークショップを行いました。第1回に続き、追手門学院大学副学長の秦教授のレクチャーのもと、ディプロマ・ポリシー(学位授与に関する方針)の策定に取り組みました。自由な雰囲気のなか活発に意見が交わせるようにと、有意義なワークショップとなりました。

開会に先駆けて玉野副学長からあいさつがありました。
8月21日の第1回全学FDに続いて、追手門学院大学副学長の秦教授にお越しいただき『教育課程の体系化に向けて―3つのポリシーの策定―』というテーマで勉強会を開きます。前回、秦教授にご講演いただいたように、建学の精神や教育方針を基に、いかにして学生を世に送り出すべきかという我々の使命を明確にするという意味で、一貫したディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーを持たなければなりません。今回は、2016年度のカリキュラム改訂に向けて、我々がどのような学生を求め、どのように教育し、社会に送り出していくかを示す3つのポリシーを作成するための実りある勉強会にしたいと思います

「秦教授にはご多忙のなか、私たちの教育課程の改革に当たって熱心にご支援いただいておりますことを厚く感謝申し上げます」と玉野副学長。

「秦教授にはご多忙のなか、私たちの教育課程の改革に当たって熱心にご支援いただいておりますことを厚く感謝申し上げます」と玉野副学長。

軽食や飲み物を取りながらのリラックスした雰囲気が、柔軟な発想や活発な意見交換をもたらします。

軽食や飲み物を取りながらのリラックスした雰囲気が、柔軟な発想や活発な意見交換をもたらします。

第1部では、秦教授による講演「教育課程の体系化に向けて―3つのポリシーの策定―」が行われました。講演の中の教授の言葉の一部をご紹介いたします。

ドラッガーはリーダーシップを「方向性を示すこと」、マネジメントを「それがきちんとその方向に向かっているかを管理すること」と一言で分かりやすく説明しています。つまり、方向性がないと管理ができないということです。3つのポリシーはリーダーシップに相当します。この方向性がなければ、評価も改善もPDCAもできません。
大学設置基準第二条の二に「入学者の選抜は、公正かつ妥当な方法により、適切な体制を整えて行うものとする」とあります。このたび、追手門学院大学のアサーティブ入試が私立大学で唯一、文部科学省のアドミッション部門の戦略的資金に採択されました。アサーティブ入試とは、大学を訪ねてくる高校生に対して職員が「なぜうちに来たの?」「何を学びたいの?」「将来はどうなりたいの?」といったことを一対一でメンタリングするというものです。その結果、「あなたには他の○○大学の方がふさわしい」ということで他の進路選択を一緒に模索する場合もあります。欲しい学生のマッチングを徹底的に行います。大学設置基準に基づき、このような入試を行うことも可能です。
次に、第十九条に「大学は、当該大学、学部および学科または課程等の教育上の目的を達成するために必要な授業科目を自ら開設し、体系的に教育課程を編成するものとする」とあります。先日、カリキュラム・ツリーを作り、体系的なカリキュラムを作成したので、ここはクリアできたと思います。また、同条の二に「教育課程の編成に当たっては、大学は、学部等の専攻に係る専門の学芸を教授するとともに、幅広く深い教養及び総合的な判断力を培い、豊かな人間性を涵養するよう適切に配慮しなければならない」とあります。専門教育とリベラル・アーツ的な教養教育の両方がディプロマ・ポリシーに入っていないといけないということがここに記されています。

講演に先立ち、秦教授とともにお仕事をされているメンバーの方々のご紹介がありました。右から清水栄子さん(愛媛大学 教育企画室助教)、岸岡奈津子さん(追手門学院大学 教育開発センター研究員)、黒田友貴さん(追手門学院大学 副学長アシスタント)

講演に先立ち、秦教授とともにお仕事をされているメンバーの方々のご紹介がありました。右から清水栄子さん(愛媛大学 教育企画室助教)、岸岡奈津子さん(追手門学院大学 教育開発センター研究員)、黒田友貴さん(追手門学院大学 副学長アシスタント)

多くの教員が参加しました。

多くの教員が参加しました。

文部科学省の高大接続特別部会資料「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(案)」には「各大学においては、それぞれの強み、特色や社会的役割に応じたアドミッション・ポリシーが策定されることが必要である」と書かれています。各大学でオリジナリティのあるアドミッション・ポリシーを作らなければいけません。そして、「一貫した観点から、アドミッション・ポリシーと合わせて、学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針を策定することが必要である」とあり、3つのポリシーによって広工大の○○学科ということが分かるような特徴を盛り込むことと同時に、それが一貫していることが求められます。
中央教育審議会答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」には「学長を中心として、副学長・学長補佐、学部長および専門的な支援スタッフ等がチームを構成し」と書かれていますが、本日のこの体制がそれです。このようなかたちで行っている大学は日本でも数えるぐらいしかありません。まして、3つのポリシー全てを行うのは、私が知っている範囲では広工大が初です。また、「学生に求められる能力をプログラムとしての学士課程教育を通じていかに育成するかを明示すること、プログラムの中で個々の授業科目が能力育成のどの部分を担うかの認識を担当教員間の議論を通じて共有し、他の授業科目と連携し関連し合いながら組織的な教育を展開すること」とあります。これがカリキュラム・ツリーです。

「学修の成果に係る評価等の基準について、改革サイクルの確立という観点から、相互に関連付けた情報発信に努める必要があります」と、成果を発信する重要性を語る秦教授。

「学修の成果に係る評価等の基準について、改革サイクルの確立という観点から、相互に関連付けた情報発信に努める必要があります」と、成果を発信する重要性を語る秦教授。

「大学において育成すべき力を学生が確実に身に付けるためには、『教員が何を教えるか』よりも『学生が何を身に付けたか』を重視することが必要です。本日みなさんが作るディプロマ・ポリシーにおいて、主語が学生になっているかどうかが鍵になります」と秦教授。

「大学において育成すべき力を学生が確実に身に付けるためには、『教員が何を教えるか』よりも『学生が何を身に付けたか』を重視することが必要です。本日みなさんが作るディプロマ・ポリシーにおいて、主語が学生になっているかどうかが鍵になります」と秦教授。

第2部では、ワークショップが開かれました。作業のゴールは、学科ごとにディプロマ・ポリシーを完成させることです。最初に大学や教員側の思いを理念として取り入れ、その下に学生が主語になるディプロマ・ポリシーを「知識・理解」「思考・判断」「技能・表現」「関心・意欲・態度」という視点で作成します。
ディプロマ・ポリシーができたら、カリキュラム・チェックリストを作成します。カリキュラム・ツリーで示されている各科目によって、どのディプロマ・ポリシーが身に付くかをチェックします。

学科ごとに分かれてディプロマ・ポリシーとカリキュラム・チェックリストを作成しました。

学科ごとに分かれてディプロマ・ポリシーとカリキュラム・チェックリストを作成しました。

ディプロマ・ポリシーは専門教育と教養教育の両方を満たしているか、学生のレベルに合っているかなど、秦教授にチェックしていただき、より良いものに仕上げていきます。

ディプロマ・ポリシーは専門教育と教養教育の両方を満たしているか、学生のレベルに合っているかなど、秦教授にチェックしていただき、より良いものに仕上げていきます。

今回のワークショップで作成したものは、秦教授とアシスタントの方が評価のうえ各学科にフィードバックされます。それに基づき、各学科で修正を加え完成させていく予定です。

FD・教育評価部門

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