
昨年10月に北海道札幌市で行われた日本インテリア学会にて、本学環境学部環境デザイン学科4年の波多野雅之君が研究発表を行い、見事、発表賞を受賞しました。受賞した波多野君に話を聞きました。
―発表した研究内容について教えてください。
「広島市内の団地で、道路側から住宅を見た時に見える風景を調査しました。住宅の外部にものを置く行為は、"表出"と"あふれ出し"に分類されます。表出とは庭園やオブジェなど意識的に外部に発信しているもの、あふれ出しとは自転車や洗濯物など生活の一部が無意識的に表に見えているものを指します。今回の研究では、その中でもディスプレイ空間ということで、"表出"についてまとめました」
―どのような調査を行ったのですか。
「エクステリア(外溝)のスタイルとその位置、構成要素などを調べました。階段の段差を利用して鉢植えを置いていたり、門扉の上にアーチ状に植物を配していたりとさまざまな"表出"を発見することができました。こうしたディスプレイ空間が住宅や街並みに豊かな表情を与え、住民同士のコミュニケーションの獲得にも貢献していることを発見することができました」
―どのくらいの規模の調査を行ったのですか。
「町内会の会長さんから許可をいただき、500戸近い家を訪れました。調査は夏休み期間中だったので、暑くて大変だったのを覚えています」
「実家がマンションなので、一軒家でディスプレイをしているところにあこがれがありました。将来、自分が家を持つならどんなデザインができるか、想像しながら調査を行いました」と波多野君。
発表に使用したパワーポイント。写真や図がふんだんに使われ、わかりやすくまとめられています。
―学会はどのような雰囲気でしたか。
「学会は初めてだったので緊張しました。ただ、委縮していたらいい発表はできないので、思い切って伝えるようにしました」
―発表に向けてどのような準備をしましたか。
「発表の練習は何度もしましたが、まずは、笑顔で相手に伝えることを意識しました。人前で話す経験は、学会前に経験していた就職活動で鍛えられたのではないかと思います」
研究により得られた結果。
表彰状と学会のプログラム。「受賞を聞いたときは、はじめは信じられない気持ちでいっぱいでした。素直にうれしく思います」
賞状を手に喜びの表情の波多野君。ゼミの平田先生も「大会前の準備で、プレゼンの精度が格段に上がりました。コンセプトもしっかりしていたので、そこが評価されたのだと思います」と受賞を喜んでいました。
「卒業後は企業に就職しますが、こうして評価されたことは働くうえでの自信にもつながります」と波多野君。卒業後はこの経験を活かして、社会に大きく羽ばたいていってください。おめでとうございます!