工学部機械システム工学科宗澤ゼミの学生が、卒業研究に向けて工場の作業現場で工程調査を行いました。

ここは、広島県福山市の岡本工機株式会社本社工場。油のにおいがする工場内には、絶え間なく機械の音が響いています。その中で、クリップボードを持って作業時間を測り、機械の作動状況をチェックしているのは、工学部機械システム工学科宗澤ゼミの学生たちです。岡本工機さんのご協力のもと、作業効率を改善するためのデータを収集しています。

広島県福山市の岡本工機株式会社。高精度・高品質の歯車を製造する企業として知られています。

広島県福山市の岡本工機株式会社。高精度・高品質の歯車を製造する企業として知られています。

作業を録画し、作業の所要時間をチェック。

作業を録画し、作業の所要時間をチェック。

岡本工機株式会社では、ロボットから船舶、医療用機器まで幅広い分野で使用される機械部品を製造しています。広島工業大学のOBも多数在籍しており、高い技術力を有する企業として知られています。
企業側から声をかけていただき私たちも研究対象を探していたので、ちょうどお互いにとっていいタイミングでした」と語るのは工学部機械システム工学科の宗澤先生。ものづくりをもう一度考え直したいと思っていた企業側と、工程改善の研究を進めるゼミ側の考え方が一致して、今回の調査・分析が実施されることとなりました。
学生の、若く柔軟で斬新な考え方をもとに作業状況を改善し、私たちのものづくりをよりよい方向に導いていくことができれば、と考えています。また、学生の皆さんが、製造現場を体験して勉強していただければうれしいですね」と語るのは、製造部次長の宮澤周邦さん。
作業風景をビデオで撮影し、理論上の必要時間と実際に製造にかかった時間を比較し、ギャップがあればその理由を分析します。機械の作動状況もチェックしていきます。「データとして提供できるのが、私たちの強みのひとつでもあります」(宗澤先生)

「自分の意見をはっきり言える学生さんばかりなので、期待しています」と宮澤様。

「自分の意見をはっきり言える学生さんばかりなので、期待しています」と宮澤様。

「しっかり情報収集し、長時間の分析をして、客観的なデータを提供したいですね」と宗澤先生。

「しっかり情報収集し、長時間の分析をして、客観的なデータを提供したいですね」と宗澤先生。

現場の雰囲気をじかに感じながら、宗澤先生(左)と打ち合わせ。

現場の雰囲気をじかに感じながら、宗澤先生(左)と打ち合わせ。

企業の期待に応えられるよう、しっかり情報を集めます。

企業の期待に応えられるよう、しっかり情報を集めます。

ここでは、2人の学生が調査を行っていました。
鳥越翔太君(工学部機械システム工学科・4年)
工場ではたとえ2秒のずれでも、数百個、数千個製造する中では、とても大きなロスになります。そこで作業時間の平均値を計測し、どんなところに無駄な部分があるのかを探っています。工場を自分の目で見て見ると、それぞれの特徴が分かりますし、製造している製品によっても機械の配置や空調環境などが変わってきます。そうした部分を、生で見ることができるのは貴重な経験です

大江祐輔君(工学部機械システム工学科・4年)
機械6台の稼働時間と人の動きを調べ、無駄な時間をできるだけなくし効率よく作業を進めていく方策を提案できればと考えています。企業の方が思いつかないような発想を提示したいですね

「製造業の品質管理部門で働きたいと考えているので、いい体験ができていると思います」と鳥越君(崇徳高等学校出身)

「製造業の品質管理部門で働きたいと考えているので、いい体験ができていると思います」と鳥越君(崇徳高等学校出身)

「調査をしっかり行いつつ、現場からさまざまなことを吸収していきたいです」と期待を込めて語る大江君(広島県立廿日市高校出身)

「調査をしっかり行いつつ、現場からさまざまなことを吸収していきたいです」と期待を込めて語る大江君(広島県立廿日市高校出身)

さらに、本社工場から車で30分のところにある尾道工場では、木本弦冶君(工学部機械システム工学科・4年)が調査を行っていました。木本君も、大江君と同じように複数の機械の稼働状況を撮影し、効率的に動いているかどうかをチェックしています。はじめて訪れた工場で一人での作業に「ちょっと寂しいです(笑)」と語る木本君。「これから自分が働く現場に近い環境なので、将来の自分をイメージしながら調査をしています。工場によって製造するものも違うので、改善内容も違ってくると思われるので分析結果が楽しみです

岡本工機株式会社尾道工場。尾道市の長者原工業団地内にあります。

岡本工機株式会社尾道工場。尾道市の長者原工業団地内にあります。

調査の合間に社員の方とコミュニケーション。「気配りをしていただき、励まされています」(木本君)

調査の合間に社員の方とコミュニケーション。「気配りをしていただき、励まされています」(木本君)

カメラで撮影し、標準的な作業時間と人の動きを比較していきます。

カメラで撮影し、標準的な作業時間と人の動きを比較していきます。

「生産管理の仕事に興味があるので、生の工場の雰囲気は参考になります」と木本君広島県立廿日市高校出身)

「生産管理の仕事に興味があるので、生の工場の雰囲気は参考になります」と木本君(広島県立廿日市高校出身)

今後は、集めたデータを分析し、9月頃に改善案を提案。改善案に従って、2カ月ほど仕事に従事してもらい、再度調査を行います。学生は、その結果をまとめ卒業研究とし、報告書を岡本工機さんに提出する予定です。
機械のレイアウト変更や従業員の動線の変更などに、研究結果が活かせれば」と宮澤さん。熟練者の技術伝承を図る手助けになることも期待されています。
どのような分析結果が生まれてくるのか、期待して待ちましょう。

機械システム工学科

宗澤ゼミ・研究室

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