都市デザイン工学科「橋の工学」で外部講師による特別講義を実施しました。

6月16日、工学部都市デザイン工学科「橋の工学」授業にて、前週に引き続き一般社団法人プレストレスト・コンクリート建設業協会 中国支部 技術部会副部会長の谷慎太郎さんをお迎えし、特別講義を開催しました。プレストレスト・コンクリート(PC)とは、あらかじめ応力が加えられたコンクリートのことで、引っ張りに弱いというコンクリートの弱点を補強することができ、現在、多くの橋に使われています。講義では、持参いただいたPC橋の模型を使って、わかりやすく構造を説明していただきました。

「模型を使うことでPCの概念がよくわかるはずです。わからないことはどんどん質問しましょう」と都市デザイン工学科の中村先生。3年生12人が参加しました。

「模型を使うことでPCの概念がよくわかるはずです。わからないことはどんどん質問しましょう」と都市デザイン工学科の中村先生。3年生12名が参加しました。

橋の設計ではさまざまな荷重の影響を考慮する必要があると語る谷さん。なじみの薄い専門用語の意味も、丁寧に解説していただきました。

橋の設計ではさまざまな荷重の影響を考慮する必要があると語る谷さん。なじみの薄い専門用語の意味も、丁寧に解説していただきました。

まず、PC橋の設計について説明していただきました。橋を設計する際は、橋の自重だけでなく、通過する自動車やその衝撃、風や地震などさまざまな荷重を考慮して設計する必要があります。さらに、断面力(※)や荷重によるコンクリート応力度、プレストレスの及ぼす力などをあらかじめ計算し、図面を起こしていきます。 ※せん断力、軸力、曲げモーメント、ねじりモーメント

いよいよ模型登場。PC橋の構造が、そのまま再現されています。

いよいよ模型登場。PC橋の構造が、そのまま再現されています。

アスファルト部分を取り外すと、橋の内部構造がわかるように、透明になっています。赤と青の線が、橋の中に通してあるPC鋼材を表しています。

アスファルト部分を取り外すと、橋の内部構造がわかるように、透明になっています。赤と青の線が、橋の中に通してあるPC鋼材を表しています。

続いて、模型を使ってPC橋の構造を説明していただきました。橋の模型の中には、PC鋼材を表す2本のゴムひもが通されています。上から圧力をかけると、いったんはへこみますが、元に戻ろうとする復元力があることが分かります。PC鋼材を通すことで、より大きな荷重に耐えられることが、視覚的に理解できました。

谷さんが手に持っているのが、実際に橋の中に通されるPC鋼材。

谷さんが手に持っているのが、実際に橋の中に通されるPC鋼材。

PCの技術は、現在、日本で新しく造られるほとんどのコンクリート橋に用いられています。

PCの技術は、現在、日本で新しく造られるほとんどのコンクリート橋に用いられています。

専門家の先生が大学に来られた時は、絶好の質問のチャンスです。PC橋の維持管理の方法、修理方法、地震への対策など、学生から鋭い質問が多数挙がりました。また、勤務形態や仕事のやりがいといった、これから就職活動を迎える3年生にとって気になる質問にも、気さくに答えていただきました。

講義後、学生に向けて谷さんから言葉をいただきました。
こうしたことをきっかけに、学生の皆さんに建設業全体に興味を持ってもらえればと考えています。私は設計の仕事をしていますが、構造力学の基礎は、仕事に就いてからもう一度勉強しました。力学や材料学など大学で学ぶ基礎的な知識は必ず必要になってくるので、しっかり勉強してください

講義を受けた白幡拓也君(工学部都市デザイン工学科・3年)に話を聞きました。
谷さんのように、実際に設計に携わっている方の生のお話から得られたものは、今後に必ず役に立つと思います。将来どんな仕事に就きたいのか、まだ具体的には決めてはいませんが、自分の行った仕事が社会にしっかり残る建設業の仕事は、他にはないやりがいがあると思います

日々の仕事内容、1日のスケジュールなど、仕事について細かく教えていただきました。

日々の仕事内容、1日のスケジュールなど、仕事について細かく教えていただきました。

「仕事をする上で、人と人とのつながり、ネットワークはとても大切ですので、大学時代の友達を大事にしてください」(谷さん)

「仕事をする上で、人と人とのつながり、ネットワークはとても大切ですので、大学時代の友達を大事にしてください」(谷さん)

「模型を使った講義をとても分かりやすくてよかったです」(白幡君)

「模型を使った講義はとても分かりやすくてよかったです」(白幡君)

「模型を使った講義で、橋の構造がしっかりと理解できたと思います。ここから、日本だけでなく世界のインフラを支える技術者が生まれることを期待しています」と中村先生。

「模型を使った講義で、橋の構造がしっかりと理解できたと思います。ここから、日本だけでなく世界のインフラを支える技術者が生まれることを期待しています」と中村先生。

講義は、模型を使ったわかりやすさと、専門家への活発な質問で、非常に有意義なものとなりました。谷さん、そしてプレストレスト・コンクリート建設業協会の皆さま、ありがとうございました。

都市デザイン工学科

中村ゼミ・研究室

※都市デザイン工学科は、2016年度より「環境土木工学科」と改編されます。

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