港湾工事の現場を体感 都市デザイン工学科で現場見学会を開催しました

工学部都市デザイン工学科では、就職活動が本格化する前に企業イメージを具体的にし進路選択の可能性を広げるため、建設や土木の現場を理解する見学会を開催しています。(※都市デザイン工学科は、2016年度から「環境土木工学科」と改編されます。)
7月14日、3年生(一部4年生)47名が、廿日市大橋西側沖の海底土砂を掘削する現場を見学しました。ここでは、東亜建設工業株式会社、株式会社大本組、みらい建設工業株式会社の3つの会社がJV(ジョイントベンチャー)を組み、桟橋に大きな船を接岸させるために、海底を2mほど掘って深くする工事を行っています。

現場について説明する所長の國原大輔さん(東亜建設工業)

現場について説明する所長の國原大輔さん(東亜建設工業)

見学船に乗って、海上の浚渫現場に向かいます。

見学船に乗って、海上の浚渫現場に向かいます。

陸上工事との一番の大きな違いは、作業船で工事が進められることです。ポンプ浚渫(しゅんせつ)船では、掘削した土砂を掃除機のようにポンプで吸い上げていきます。他にも、水中の土砂を手づかみのようにつかみ揚げるグラブ浚渫船や、土砂を運ぶ土運船などが、この現場では活躍していました。

海底面を掘削するグラブ浚渫船の作業の様子を見学。

海底面を掘削するグラブ浚渫船の作業の様子を見学。

ポンプ浚渫船の操縦室で、現場代理人の藤川英之さん(東亜建設工業)から作業の詳細を伺いました。現場海域は、潮の満ち引きによって最大で4mも潮位が変わるため、GPSを用いて水深を自動制御しながら掘削しているそうです。

ポンプ浚渫船の操縦室で、現場代理人の藤川英之さん(東亜建設工業)から作業の詳細を伺いました。現場海域は、潮の満ち引きによって最大で4mも潮位が変わるため、GPSを用いて水深を自動制御しながら掘削しているそうです。

ポンプ浚渫船の船首には、直径3.5mのカッターが付いており、そのカッターが回転して海底の土砂を掘削していきます。そして、船に内蔵されたポンプで土砂と海水を吸い込み、総延長約2.6kmの鉄管で処分地に搬送します。この工事全体で掘削する土砂の量はおよそ113万立方メートル。そのスケールの大きさに驚くばかりです。

全長78mのポンプ浚渫船「第三亜細亜丸」。1時間に1,200立方メートルの土砂を処理します。

全長78mのポンプ浚渫船「第三亜細亜丸」。1時間に1,200立方メートルの土砂を処理します。

ポンプ浚渫船の上で記念撮影。

ポンプ浚渫船の上で記念撮影。

見学終了後、現場事務所で、国土交通省の方から工事についての詳細を伺いました。中国地方の経済を支える上で港湾はとても重要な役割を果たしており、特にLNGなどの輸入に際してタンカー船が大型化していることから、今回の工事が必要になりました。さらに、グラブ浚渫船が土砂をつかむシーンや、土運船の船底が卵の殻のよう割れ土砂が落とされるシーンの映像を見せていただきました。
その後、意見交換会が開かれました。入社2年目の富澤瑞樹さん(東亜建設工業)は、女子学生へのアドバイスを送ってくれました。「学生の頃は、ゼネコンは男性社会できついというイメージがありましたが、上司が休暇をすすめてくれるなど、とても女性に配慮のある業界です
最後に國原所長から「海上工事の現場に興味を持った人は、ぜひ先生を通じて連絡してみてください」とお言葉をいただき、会を終えました。

入社2年目の富澤さんから、工事の概要について説明していただきました。「ポンプ浚渫船の船尾にあるスパッドを海底に打ち込み、その支柱で支えながら浚渫作業を行います」

入社2年目の富澤さんから、工事の概要について説明していただきました。「ポンプ浚渫船の船尾にあるスパッドを海底に打ち込み、その支柱で支えながら浚渫作業を行います」

東亜建設工業には海に関する相談に応える「海の相談室」が設置されています。室長の田中ゆう子さんから、工事の際の自然環境への配慮について伺いました。

東亜建設工業には海に関する相談に応える「海の相談室」が設置されています。室長の田中ゆう子さんから、工事の際の自然環境への配慮について伺いました。

平成8年東亜建設工業入社の田中慎太郎さんは、広島工業大学のOB(土木工学科卒)。「入社してから、多くの現場や転勤も経験しましたが、その分、考え方の幅が広がったと思います」

平成8年東亜建設工業入社の田中慎太郎さんは、広島工業大学のOB(土木工学科卒)。「入社してから、多くの現場や転勤も経験しましたが、その分、考え方の幅が広がったと思います」

国土交通省中国地方整備局広島港湾・空港整備事務所、企画調整課長の常數浩二さんから、浚渫した後の土砂の処分方法について説明を聞きました。

国土交通省中国地方整備局広島港湾・空港整備事務所、企画調整課長の常數浩二さんから、浚渫した後の土砂の処分方法について説明を聞きました。

見学会に参加した川下大風君(工学部都市デザイン工学科・3年)は「もともとは、陸上で施工管理の仕事をしたいと思っていましたが、海洋工事にも興味が出てきました」と語りました。また、現場で働く広島工業大学OBの神原誠司さん(知能機械工学科卒)は「大学時代にものづくりを勉強する中で、大きなものを作りたいと思うようになりゼネコンに就職しました。人情があふれ、和気あいあいとした雰囲気の中で仕事をさせてもらっています」と土木の現場の雰囲気を教えていただきました。

現場で活躍する富澤さんを、尊敬のまなざしでみつめる女子学生たち。

現場で活躍する富澤さんを、尊敬のまなざしでみつめる女子学生たち。

川下君(左)と神原さん(右)「学生を見ていると就活の頃を思い出しますね」(神原さん)

川下君(左 福岡県立筑前高等学校出身)と神原さん(右)「学生を見ていると就活の頃を思い出しますね」(神原さん)

学生たちは、海洋工事の現場が初体験であったことから、わからないこと、興味を持ったことは積極的に質問していました。進路選択に向けて、貴重な体験を積むことができた一日となりました。

都市デザイン工学科

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